相手の言動から情報を推測する

「さあ早く吐くんだ!お前がやったんだろ!」
「私は知りません」
「お前がやったのはわかってるんだ!凶器はどこにやった?!」

刑事ドラマでよくある取り調べの場面ですが、もしあなたが犯人なら絶対に自供してはいけません。
交渉事においては相手の言動の中に今持ってる情報は何なのかを推測するヒントが隠されています。
この場合は刑事はまだ凶器を見つけていない事が分かりますので自供さえしなければ物的証拠もなく立件しても有罪に持ち込むのは難しいはずです。

このような状況は日常生活でも度々遭遇するはずです。
いちいち相手の要求通りにこちらの情報を全て開示していたら損をするばかりです。

「ねえ、あなた最近毎晩遅いけど何処寄り道してるのよ?」
「寄り道なんかしてないよ、残業だよ」
「もしかして浮気してるんじゃないわよね?」
「当たり前じゃないか」
「それとも女の人のいる店に通ってるとか?」

あなたが完全にクロだとしても相手のセリフからどこまで知られているかを推理しなければなりません。
この場合は「浮気」と「女性がいる店」を挙げて決め打ちしきれていないので、まだあくまでも疑いだけで何の確証も持っていないのがわかります。
もし女の人がいる店の名刺なり領収証なりを持っていたら「これは何なのよ!」と突きつけてくるはずですから。

人生はポーカーと一緒です。
自分の持ってる手札をこちらに都合の良いように相手に勘違いさせる。
つまりブラフ(ハッタリ)が不可欠です。

「せっかく素晴らしい営業成績をあげていたのにどうして辞められたのですか?」
「はい、前職では扱う商材が単一で接するお客様も限られた業界・職種の方になります。
さらなる成長をするために異業種に転職したいと思いました」

面接ではとかく美辞麗句を並べがちになり基本的に本心を話す事は少ない。
「せっかく頑張って売上あげても全然給料あがらないし」
「直属の上司が偉そうでムカついて」
「出張旅費過剰請求したのがバレちゃって」
事実がどうであれ本当の退職理由を本人が自ら話す事はない。
それはともかく新しい職場にちゃんとフィットできる人材かを見極めるには高度な質問が必要となる。
つまり質問の意図を悟られない事が肝要。

「うちはインセンティブはなくてボーナスにチームの業績が反映される仕組みですけど大丈夫ですか?」
と訊いてしまうとそれが気に入らなくても受かりたい一心で大丈夫と答えてしまい、挙句の果てにはやはり不満を感じてまたすぐに辞めるかもしれない。

そこで質問を変えてみる。
「成績を給与に反映させる仕組みはどういうものが良いと思いますか?」
「と言いますと?」
「毎月売上に応じてインセンティブを加える方法と夏冬のボーナスで反映させる方法とでは?」
「それは毎月の方がやる気に繋がると思います」
「会社のある部署の成績が飛び抜けて良かった場合、分配方法は個人成績順で割り当てるのとチーム全体に均等に割り当てるのとではどちらがいいでしょうか?」
「それは勿論頑張った人に多く報いるべきだと思います」

こちらの質問意図を隠匿すれば本心が聞ける。

私はこういった相手の言動から推測し、こちらの情報を隠匿する訓練として「人狼ゲーム」が最適だと思っている。
有名なゲームなのでルールの説明は割愛するが、このゲームを行えば相手の知能レベルが推測できる。

名探偵ファイロ・ヴァンスは容疑者たちとポーカーをすることによって心理的プロファイリングを実行し犯人を見つけた。
人狼ゲームにおいては初心者が人狼役になった時に簡単に見つかってしまう場合がある。

人狼役が二人いて人狼Aが村人の大多数に疑われてしまった。
昼のターンで誰か一人を処刑(追放)する際に人狼Bは人狼Aを選ばないことで自分も人狼であることがバレてしまう。
「人狼Aを選ばない」という行動に答えが隠されているのだ。

一度過ちを理解すれば次回からはどうせ処刑(追放)される仲間は見捨てなければならない事が理解できる。
自分の本心を隠し通せた者だけが勝者となる。
そしてこの事はゲームだけではなく人生全般を通して言える事なのだ。

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