論破王と一人二役

論破ブームだそうだ。
ところでもしあなたがあのような論争に常に勝てる人間になりたければ脳内に対抗する2つの仮想キャラクターを置いて論争させる癖をつければ良い。

通常人は何かを主張する時は大体結論ありきでロジックを組み立てる。

例えばあなたは「タクシーには乗らない」事を良しとして主張したいとする。
ならば「タクシーには乗らない」事を肯定する補強材料をまず集める。
・歩くと健康に良い
・お金が浮く
・衝突事故に遭わなくて済む
・間接的に交通事故が減る(かもしれない)
・排気ガスが減る(かもしれない)

ここで肝要なのはあなたが弁護側だとして脳内に検察側も用意してどういう反論が来るかシミュレーションしてみることだ。

簡単に反論が思いつく。
・身体が疲れない
・お金を使う代わりに時間を節約できる
・忙しくて所得や資産が多い人にとってはお金より時間の方が貴重
・そもそもタクシーに乗らないと約束に間に合わない
・タクシーの運転手にお金を落とす事で経済が回る
・深夜歩いてると不審者に襲われる危険がある(特に女性)

普通の人はついつい自分の主義主張を通そうとして自分の意見を補強する材料ばかり考えがちだがこれではディベートに勝てない。
賢い人間は常に「もし自分が相手側ならどういう論拠を持ち出すだろうか?」と考えるものなのだ。

実はこの手法は最先端のAIの世界でも用いられている。
「Generative adversarial networks」敵対的生成ネットワーク、GANと呼ばれている技術である。
Generatorという「騙す側」とdiscriminatorという「弁別する側」が繰り返し競争し共にその精度を上げていくのである。
DeepMind社の「AlphaGo」が囲碁の世界チャンピオンを破ったのもこの手法の成果である。

元々地球上の生物自体がこの敵対的競争原理により進化してきた。
「鏡の国のアリス」の中で「赤の女王」が言う台詞

「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない
(It takes all the running you can do, to keep in the same place.)」
の通り敵対する者はお互いに進化することを求められるのだ。

うさぎなどの草食獣は捕食者である肉食獣より早く走れなければ皆食べられて絶滅してしまう。
うさぎが早く走れるように進化して追いつけない肉食獣は飢えて子孫を残せない。
つまり双方が共に競い合うから均衡が保たれているのだ。

AIが内部で敵対する2者を競わせるのと同じようにあなたも脳内で検察官と弁護人を論争させる癖を付けよう。
そうすればあなたもあの論破王に勝てるようになるだろう。

この本は私も持ってるがオススメです。

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